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最終更新日 2006.4.2

2003年8月のカイラス周辺への旅行データです。

西チベットでの
交通費
【叶城→アリ】新疆ウイグル自治区の叶城からアリまで闇バスを2泊3日800元でヒッチ。途中パスポートの提示を求められた検問所は3ヶ所。(アリから叶城へはウイグル人トラックならば300元で行けるとの情報あり。私は断られたが、運転手や時期によっては公共のバスでチベット入りしたという事例もあります。)
【アリ→メンシ】ボロいランクルで100元。
【メンシ→タルチェン】巡礼バスで35元。
【タルチェン→プラン】公安の中国製ジープ型四駆で30元。
【プラン→マナサロワール湖(チュ・ゴンパ)】政府役人の好意で無料。
【マナサロワール湖(チュ・ゴンパ)→アリ】トラックの荷台で80元。
【アリ→ツァンタ】中国製ジープ型四駆で170元。この区間は交通量が少ないため、前日までに郵便のトラック(CHINA POST)と交渉する人が多い。
【ツァンタ→グゲ遺跡】超ボロい中国製ジープ型の四駆往復100元。現地で約4時間待ってもらった。
【ツァンタ→アリ】ランクルとトラックの荷台を乗り継ぎ125元。
【アリ→ラサ】寝台バスで800元。

2002年夏にはラサ発アリ行の寝台バスに外国人も乗車できたそうですが、2003年は乗車できませんでした。状況は流動的です。ヒッチハイクを始める前に、現地で確認して下さい。

2004年8月17日現在、合法では寝台バスには乗れないようですが、こっそりと乗車できる可能性は十分にあるようです。

ヒッチ ヒッチで荷台に乗ることもありえるので、帽子、マスク、軍手、リップクリームがあれば快適です。砂が細かいのでカメラなど精密機械を携行される方は防砂対策をした方がよいです。ヒッチは日の出の少し前から始める方が車を見つけ易いように感じました。

天候 夏は他の季節よりも降雨量が多いそうです。私が訪問した2003年8月に限ったことですが、午前中は晴れても午後には雲が広がるという天候でした。日中は強い日差しで、日没後は長袖が必要なほど冷え込みます。西チベットで滞在中に雨が降ったのは2日間だけでした。

高山病対策 新陳代謝を活性化させるために、利尿剤としてダイアモックスラシックスを携行しました。ラシックスの方がやや効き目は強い。この2種類の薬は日本の病院で処方してもらいました。また紅景天という薬が中国で売られています。カプセルとドリンクの2種類存在します。

リンク
■ 西チベット旅行情報 / 2004年7月のカイラス情報です。

■ たる&あいの世界一周旅行 / 2004年4月のカイラス情報です。

■ 世界ぷらぷら日記 / 2005年10月のカイラス情報です。

詳細データ ■ 新疆への道のり

■ 新蔵公路

■ カイラス巡礼

■ マナサロワール湖周辺

■ グゲ遺跡、そしてラサへ




新疆への道のり
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神戸
→上海
(2泊3日)
03.07.29
神戸から上海へフェリーに乗る。出発は12:00。手荷物検査でのフィルムの感光を心配していたが、X線検査は無かった。船内ではすでに煙草税や酒税は必要ない。青島ビールが130円。青島はドイツの租界地だったので、このビールは本場仕込みの製法であるらしい。

日中国際フェリー(大阪・神戸→上海)
上海フェリー(大阪→上海)
チャイナエクスプレスライン(神戸→天津)
オリエントフェリー(下関→青島)
その他の国際フェリー情報

03.07.30
船内では朝食のみ無料。ただし指定時間内にレストランに行かねばならない。その他の時間帯はカフェテリア形式で中華料理が食べられる。原材料や従業員は中国からのものなのに、値段はしっかりと日本並の物価であった。洗濯機の使用は無料。シャワーには石鹸があった。また、夏休みということもあり大学生が多かった。日本からの留学生もいて情報収集には良い。私は中国語が話せない。そこでオススメの中華料理を紙に書いてもらった。これは旅行中に非常に役立った。最もよく食べたのは西紅柿炒鶏蛋(卵とトマトの炒め物)。シンプルな料理なので失敗する方が珍しい。

上海
→ウルムチ
(51時間)
03.07.31
07:00前には上海に入港したが、税関が開くまでは船内で待機させられた。夏休みということもあり、当日での汽車の切符購入は難しいという情報もあったが、上海到着後すぐにCITS(中国国際旅行社)へ行き当日18:00発ウルムチ行の硬臥(2等寝台約650元)の切符を購入することができた。51時間の旅である。CITSでは英語が通じた。カシュガルまでの直通便は無く、ウルムチからの乗り換え便の切符も購入できないと言われた。上海駅でもウルムチ行の切符は購入できるのだが、中国では列への割り込みは当たり前。5元の手数料で快適に切符を購入できるのでCITSで購入がオススメ。また、駅構内は切符を持っている人しか入場できない仕組みになっている。その点ではインドよりも駅構内での盗難の心配は少ない。
フェリーの降り場ではX線検査があったが、フィルムを見せればX線には通されなかった。上海駅でもX線による手荷物検査があった。同様にフィルムを見せれば大丈夫であった。

03.08.01
私の座席は三段ベッドの一番上だったのでベッドからの眺めは線路だけ。二段目にしておけば良かった。車内を巡回して販売している弁当はソコソコの味である。地元の人の多くはカップラーメンを食べていたが私は弁当の方が好きだ。中国の長距離列車では、お湯は無料でもらえるので自前でお茶の葉などは確保しておきたい。

03.08.02
21:00頃にウルムチに到着。新疆でも北京時間を使用しているので、ちょうど夕暮れであった。翌日のカシュガル行きの切符を購入しようとするが、当日にしか購入できないと言われ諦めた。日没後は冷え込むので、長袖が欲しい。
余談ではあるが、ホテルのロビーではドイツ人女性が猛抗議をしていた。真夜中にコールガールからの電話が何度もあったとの事。中国で個室に泊まればこういう事はよくあるらしい。

ウルムチ
→カシュガル
(23時間)
03.08.03
午後一番で切符を買いに駅に行った。出発2時間前では寝台席は購入できず、硬座(シート席)しか買えなかった。15:14発。ほぼ満席。これから23時間の旅である。

03.08.04
さすがに最後の4時間はお尻が痛んだ。寝台席の購入を強く推奨します。




新蔵公路
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カシュガル
→叶城
(4時間)
03.08.08
公共のバスで4時間。バスは少なくとも1時間に1本はあり、道路も快適。日本からここまでは順調に公共の交通機関で旅行が出来た。明日からはヒッチハイクの旅が始まる。スーパーでソーセージ、干し葡萄、チョコレート、ビスケットなどの非常食を購入した。

叶城
→アリ
(2泊3日)
03.08.09
公式の許可証をもらえないまま、未明に町の南にあるアーバンと呼ばれるヒッチポイントに行った。運良く15分で闇バスをヒッチすることが出来た。2泊3日800元。2003年8月現在、西部大開発に伴う工事のためこの新蔵公路は10日に1日しか通行できない状況であった。また、公共のバスは許可証がないという理由で乗れなかった(実際には乗っている人もいるので、運転手次第)。ルート上で公安の取り締まりが最も厳しかったのは叶城。行程の途中パスポートの提示を求められた検問所は3ヶ所。ちなみにドライバーは賄賂として役人に煙草とハミ瓜を渡していた。

03.08.10
高山病対策としてダイアモックスラシックスを日本から持って行った。睡眠中は新陳代謝が落ちるので、バスの中では冬山さながらに「寝たら駄目だ」と互いに声を掛け合った。なんとも言えない一体感があり、今では良い思い出である。水分を多量に摂取し利尿剤で新陳代謝を促すのは高山病対策としては効果的であった。途中、標高3000m以上であるにも関わらず、海軍基地があった。なかなか興味深い事実である。ルトクで宿泊。

03.08.11
午前中にはアリに到着。早速、公安に出頭した。担当者も慣れたもので友好的な対応であった。ただし罰金350元(約4500円)。このとき15日間の滞在許可をもらう(許可の延長もこの事務所で簡単であった)。アリはチベット西部の物資の集積地である。町の変化は激しいため、ガイドブック「旅行人ノート・チベット」(第3版)の地図どおりではないので要注意。中国農業銀行の2階では日本円の現金を現地通貨に両替してくれる。ネットカフェやスーパーマーケットもある。

アリ
→メンシ
(7時間)
03.08.12
日の出後から3時間待ってようやくヒッチに成功。行商人のボロいランクルだった。タルチェンまで一気に行くつもりだったが、贅沢を言ってはいられない。タルチェンの手前にあるメンシという町まで乗せてもらうことにする。ドライブインを相手に商売をしながらの移動となった。時には遊牧民のテントへも商売に行き、お供をした私はバター茶をご馳走になった。最近の遊牧民は太陽電池で充電をして夜には電灯を使っているようである。ランクルのキャブレターの調子が悪く、途中3度も止まってキャブレターを分解し掃除をした。ランクルをヒッチできたといっても安心できない。アリから南へ延びる道路は舗装工事中であった。かなりの勢いで整備中である。
ティルタプリ 03.08.13(午後に一時小雨
カイラス、マナサロワール湖と並ぶ三大聖地であるティルタプリに行った。ここでは温泉に入ることが出来る。タルチェンから徒歩で片道95分。往路は軍のパジェロに乗せてもらった。

メンシ
→タルチェン
(3時間)
03.08.14
メンシはインド人巡礼者が訪れることの出来る最北の町となる。インドとは国境紛争が有るのでインド人に対しては移動が厳しいようである。
午後になってようやく巡礼トラックのヒッチに成功。3時間ほどでタルチェンに到着。巡礼トラックに乗ったおかげで、看板すらないチベット人の巡礼宿に10元で宿泊できた。外国人向けの宿に比べてかなり安い。しかし羊の肉を干してある部屋で寝ることになった。臭かった。




カイラス巡礼
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巡礼(コルラ)


03.08.15
通常、旅行者は2泊3日で約52kmの巡礼路を時計回りに一周する。1泊2日で回れないことも無い。標高が高いということ以外、特に難しいトレッキングではない。私はカイラスの北壁が見えるゴンパ(寺院)で連泊したので3泊4日のコルラとなった。雲のために初日は宿泊ポイントであるデュラ・プク・ゴンパ近くに来るまではカイラスを拝むことは出来なかった。本当はタルボチェから見えたはずである。タルチェンの宿で巡礼中に必要の無い荷物を預かってもらった。

03.08.16
カイラスを眺めながら昼寝をする。2週間かけてここまで来たのだから1泊だけで移動するには惜しい眺めである。
03.08.17(午後に一時
巡礼路で最も標高の高い峠ドルマ・ラを越える。5668mである。あえてルート上の難所を挙げるならば、この急な坂ぐらいである。この峠からがカイラスを最も間近で仰ぎ見ることが出来る。峠を下れば、あとは川沿いに歩いてゆく。私は川を渡らなかったので、もうカイラスを見ることは出来なかった。午後からは雨のため、足元はぬかるんでいた。MA1を着ていたが、ずぶ濡れになってしまった。ズトゥル・プク・ゴンパで宿泊。寺にいた猫は人懐っこく、寝袋で一緒に眠った。

03.08.18
午前中に濡れた服を乾かしてタルチェンに帰る。明日の移動の為に車を探すが見つからず。




マナサロワール湖周辺
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タルチェン
→プラン
03.08.19
日の出後からヒッチを始める。3時間後にようやく公安の4WDでマナサロワール湖に向かう事となった。チュ・ゴンパに行くものとばかり思っていたのだが、この車は湖の東岸を周りチュ・ゴンパには行かないとの事。急遽、この4WDの目的地であるプランまで行くことにした。

03.08.20
国境近くの最大の町であるが、個人的には見るべきものは特になかった。ちなみにインドからの巡礼者はこの町を通って来る。

プラン→
チュ・ゴンパ
03.08.21
制服を着た役人の車に乗せてもらい、マナサロワール湖畔のチュ・ゴンパに行った。ここでも温泉に入ることができた。天井がガラス張りの個室でぬるいお湯であった。期待して訪問するほどの温泉ではない。

チュ・ゴンパ
→アリ
(8時間半)
03.08.22
トラックのヒッチに成功。荷台に乗って8時間半でアリに到着。荷台で大の字になって眺めた大空は忘れられない。




グゲ遺跡、そしてラサへ
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アリ
→ツァンダ
(8時間)

03.08.24
前日は9時間にわたりヒッチを試みるも無駄骨であった。今日はヒッチを始めて1時間で成功。夕暮れまでにツァンダに到着。明朝にグゲ遺跡まで送迎してくれる車を探した。

グゲ遺跡 03.08.25
王宮の最上階からの眺めは絶景。アリまで来たのなら、グゲ遺跡には是非とも立ち寄りたい。午後にはツァンダに戻った。外国人旅行証の有効期限が今日までなので延長手続きをするために公安に行くが断られる。おまけに外国人指定の宿に行くように指示された。

ツァンダ
→アリ
03.08.26
ランクルでアリに向かう。幹線との合流点の町ナムルの手前で突然の長時間休憩。4時間待っても発車しない。何か事情があるようだ。連れになった漢人が怒って幹線道路まで私を連れて歩き出した。個人的には気長に待つつもりであったが、ツァンダで世話になった漢人のオヤジが来いというので断れなかった。結局アリには23時半に到着できた。夏とはいえ日没後の荷台は寒かった

アリ→ラサ
(3泊4日)
03.08.27
すでに外国人旅行証の有効期限は切れていた。朝から公安の外事科で延長の手続きに出向く。お咎めは無かった。
スーパーで非常食を買い込み、18:00発の寝台バスでラサに向かう。料金は800元。何社かのバス会社が存在するようだが、外国人が利用できるのは一番料金の高い会社だけであった。このバスは北回りルートを週に2便の運行をしていた。カイラスで遇ったスイス人チャリダーは南回りでいくつもの川を自転車を担いで渡り、検問所では山道を通り突破したそうだ。
バスは出発直後に運転手が買い物のためにマーケット付近で小1時間の停車。その後ガソリン・スタンドで給油してアリを離れた。大らかというべきか。

03.08.28
バスがパンクした。バスは土足禁止であり、入り口で靴を脱ぐようになっていたが、土足のチベット人が多かった。車内のカーペットに痰を吐いている人もいた。

03.08.29
夜中から明け方まで河の前でバスが停車する。日が昇ってから河を渡った。河でスタックしないように停車したと思われる。

03.08.30
朝にラツェを通過し、21時ごろラサに到着。ノルブ・リンカの南側のバスターミナルである。